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黒と茶の幻想 上・下巻

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恩田 陸

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黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫)黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫)
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通勤電車の中で読んでいました。
最後のほうは、今朝起きてから。

確か、岩代先生のお気に入り小説で、
タイトルが挙がってたんですよね。
それがあったのか、
本屋で目に留まって、
私も恩田先生の作品は結構好きだったので、
今回手を伸ばしてみました。

この方の作品は非常に読みやすい文体と、
やや暗いながらも、
そこに人間らしさみたいなものを感じることが
多いような気がします。

三十代後半の四人組が、
彰彦の思いつきで、
屋久島への旅行を敢行した四日間が舞台です。
作品は、
登場人物である
利枝子・彰彦・蒔生・節子
の順で、視点が巡ります。

話自体には、
特に何かしらの事件が起こるわけでもないんですが、
かなり引き込まれました。

現在ではなく、過去への旅路。

旅行の目的であった三顧の桜、というのも、
全員が旅を通して過去を顧みていくことを
暗に示していたのかなぁと思います。

解説で、世代小説、と評されていますが、
個人的にはちょっと違うかなぁと思いました。
おそらく、社会人なら楽しめる、作品です。
あの自由な学生生活から切り離されて、
社会の苦味を少し覚え始めたくらいでも
十分に共感が持てましたから。

私が好きな登場人物は節子。
なので、好きな章も節子です。
こういう道化を演じられる
バランスの良いお姉さんは憧れです。
特に、内面は冷めてたりするところが
Goodかなぁなんて(笑)

半分だけ理解できるような気がしたのは、蒔生。
彼の破滅願望、みたいな面には、
ちょっと共感してしまいました。
(人間失格にも共感してしまうタイプなので、危険なのかな)
ただ、彼が憂理にしたことだけはちょっと……^-^;
しかも、それに対して、一切の引け目を感じてないんですからね。
ここまで、利己的に生きられたら、人生楽だろうな。
楽しくもないだろうけど。

あと言及できそうなのは、憂理……かな。
彼女の危なっかしさに気が付いて、
そっと寄り添ってくれる人がいれば良かったんですけどね。。。
蒔生と憂理を見ていると、
利枝子の好みのタイプ、というか、
傍に置いておきたい人間がどんなタイプなのかが、
心なしか見えてくる感じがしました。
なんだかんだ、四人の中で、一番危なっかしいのは利枝子かも。

彰彦みたいに美形で三枚目キャラっていうのは、
個人的には美味しい気がするんですけどね。
でも、お姉さんの話は生々しくて、なんか辛かったです(笑)


好きだなぁと感じた文章↓

・愛していない者は説明しない。
・あの人は幸せかしら。
・肺に転移してからは早かった。

なんというか、グサリと来るタイミングと言葉選びだなぁと思いました。

この作品、正直大好きです。
何も起こらないのに、確かに何かが起きている。
穏やかでありながら穏やかでない感じが好きです。
作品としては、傑作の部類なんじゃないかな。
好き嫌いは勿論分かれるだろうけど。
また時間を置いて読み返したい作品です。

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